本棚にねこまんま

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ねこ と ごはん

【ごち猫ごはん】とりあえず、食べよう


おすすめ度★★★

スランプの駆け出し小説家と猫2匹、のんびり田舎暮らし。
書けない日々の焦燥と、ごはんを通した人々との交流が描かれています。

すきだらけな主人公と2匹の猫

主人公の熊川くん。
お人よしで、頼りなげで、ぽやぽやっとした青年です。
彼を端的に表すならば、THEすきだらけ。
読んでるこっちとしてはやきもきしますね。
あ~ほら、言わんこっちゃない!みたいな。
まぁ、そこが彼の持ち味なんですがね。

食べてる時の表情なんかもう無防備なもんで。
近所の純朴な女子高生が女を開花させて迫りたくなるような
とろけた表情でお好み焼きムグムグ。
この無駄に色っぽい食べっぷり…

そうか…!食男か…!


※食べる男子を見るマンガがコンセプトのグルメ漫画アンソロジー
どいつもこいつも食べ方がえっちい(称賛)


そして熊川くんと暮らす2匹の猫。
まさはる(黒い方)はネズミ捕りの名人で、お利口さん。
ヨースケ(白い方)は表情が人間くさくて可愛い。あと顔デカい。
ネズミ捕りの報酬でキャベツ貰ったり、
2匹のおかげで友達(小学生だけど)もできるし、
持ちつ持たれつ良き同居人、もとい同居猫です。
貸家にするためにリフォームした家なのに猫2匹も連れ込んじゃって
馬鹿め!壁も柱もボロボロになるぞ!と思ったけど、
漫画だからね、細かいこと言うのも野暮ってもんですよ。

失業とスランプ

仕事を辞めたい一心で書いた小説で、みごとに新人賞を獲得した熊川くん。
仕事辞めてやらぁ!って気持ち。すごい原動力になるよね。
もうね、毎日その衝動だけを糧にして生きてる人間がどれだけいることか。
そんな中で成果を出して抜け出せる人間は、ほんの一握りだと思います。
熊川くんは、一握られました。やったね。

だがしかし、
小説一本で食っていくぞと意気込んでいた彼を冷たい現実が襲う。

小 説 書 け ね ぇ ・・・!

典型的なスランプですよ。
意気揚々と仕事辞めちゃった後で、自分の中には書きたいものがないと気づく…
仕事辞めたい!って原動力を失った彼には、
そこからもう一歩、歩き出すための燃料が足りないのでした。

悩みんでいても、立ち止まっていても、おなかは空く

熊川くんが担当の編集者さんに言われたプロに必要なもの。
「どんなに筆が進まなくても書こうとする意志と努力」

結果が出せないなか、逃げ出さずに努力を続けるのは大変なことです。
もう諦めた方がいいんじゃないかという葛藤のなかで、自分を信じ続けることも。

熊川くんにとってごはんを作って、誰かと食べる時間は
スランプを抜け出すために必要なステップだったんだと思います。
食べる人を思って料理を作り上げること、
美味しいものを誰かと分かち合うこと、
料理って立派な創作活動ですよね。
そういう前向きな力の積み重ねが、また歩き出すための糧になったのでしょう。