本棚にねこまんま

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ねこ と ごはん

【魔女と猫の話】13歳少女の魔法のような日々


おすすめ度★★★★★

魔法学校に通う少女たちの期待と不安に揺れ動く心のきらめきを描いた青春群像劇。
13歳という多感な時期に悩み、落ち込み、時に涙し、自分だけの答えを見つけるまでの物語です。


繊細で優しい魔法の世界

揃いのワンピース、大きなリボン、古びた異国の本、相棒の猫、神秘的な水晶、
色とりどりのシャボン玉、こぼれ落ちそうなクリームのケーキ…
表紙だけですっかり引き込まれてしまいます。
初めから終わりまで女の子が1度は憧れるもので溢れおり、
魔女の宅急便が好きな人なら絶対に好きな作品です。

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(出典 魔女と猫の話/四宮しの)

ストーリーと絵の雰囲気がしっくりと噛み合っていることにも驚かされます。
トーンを最小限に抑え、細部まで丁寧に描き込まれた世界は
繊細で壊れやすい少女たちの心理描写に深みを与えています。


私の猫、僕の魔女

13歳の誕生日を迎えた魔女は「猫」(守護霊)を喚び出すことになっています。
猫は魔女を生涯支え、一番の味方になってくれる大切な存在。
猫の助けがなければ精霊に「導きのお願い」をすることすらままなりません。
また、猫にとっても魔女に仕えることが重要な使命であることは、
『魔女に喚ばれた猫が戻されるのはとても不名誉な事なの』という先生の言葉からも分かります。

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(出典 魔女と猫の話/四宮しの)

どんな猫なんだろうと、魔女が期待に胸を膨らませているように、
猫の世界でも「魔女の猫」になる日を待ちわびて過ごしているのです。


「猫は鏡 自分の良い所も悪い所も見えてくるもの」
楽しい時も 辛い時も 
一緒に過ごしていくうちに どんどん大切な存在になる
ねぇ すず  祈っているわ
13歳のあなたの日々が宝物になる事を 心から…
(引用 四宮しの「魔女と猫の話」)


1話ごとに別の少女へと視点が移り変わり、それぞれが将来や自分自身に不安を抱えています。
悩みに押しつぶされそうな日々と、その経験があってはじめて見つかる答え。
少女たちが大人になった姿が垣間見える演出にはただただ感服します。
彼女たちが猫という相棒と共に苦難を乗り越えてつかみ取る未来は
自然と涙があふれてしまうほど美しいのです。